アメリカンフットボールにおいて選手の走るスピードを測る際に用いられる40ヤード走。日本のアメフト界でも有名な種目の一つですが、日本で最も知られている50m走と混同しがちなところがある。40ヤード走について知って得する情報を徹底解説する。
メニュー
40ヤード走とは
40ヤード走とは、40ヤードを全力で走りそのタイムを計測する種目である。よくアメフトで用いられ、選手の身体能力を測るために使われる指標である。
40ヤード走るの動画
こちらはアメフトのプロリーグであるNFLのプロテストの様子。
40ヤードは何メートルか
40ヤードは、約36.5メートルである。1ヤードは0.9144mであり、成人男性の一歩幅に相当する。
50m走に換算する方法
50m走のタイム → 40ヤード走のタイム
*加速度を踏まえると実際の40ヤード走のタイムは少し遅くなることがあります。
40ヤード走のタイム → 50m走のタイム
*加速度を踏まえると実際の50m走のタイムが少し早くなることがあります。
なぜ40ヤード走なのか
「50m走ではなくて、なぜ40ヤード走なのか」という疑問が浮かぶ。この理由には、アメリカではメートルよりもヤードの単位の方が主流であることを前提とした「アメフト特有の視点」が存在する。実は、アメフトでは足の速さよりも瞬発力を重視する傾向にあるのだ。そのため、「どれほどの初速度で、どれほど早くトップスピードにもっていけるのか」というのを計測するために40ヤードという長さが用いられていると考えられる。
アメフトのポジション別の記録
NFL選手のポジション別の40ヤード走の平均記録(秒)がグラフになっている。1位コーナーバック(CB)4.47秒、2位ワイドレシーバー(WR)4.49秒、3位ランニングバック(RB)4.53秒となっており、上位はバックスが占めていることが分かる。→ポジションの略称
40ヤード走の最速記録
公式記録として歴代でもっとも速い40ヤード走の記録は、2017年にNFL選手ジョン・ロス(John Ross)が記録した4.22秒である。ジョンのポジションは、ワイドレシーバー(WR)であり、当時の所属チームはシンシナティ・ベンガルズだ(2021年よりニューヨーク・ジャイアンツ)。
- 身長180 cm
- 体重86 kg
40ヤード走の目安
高校生の平均タイム
アメリカの高校アメフトの選手の40ヤード走の平均は「4.9 – 5.6秒」である。ポジションを分けずに出した全体の平均値である。日本の高校生もバックスであれば4.6 – 4.9秒、ラインであれば5.3 – 5.8秒くらいを目安にすると良いだろう。
大学生の平均タイム
アメリカの大学アメフトの選手の40ヤード走の平均は「4.6 – 4.9秒」である。ポジションを分けずに出した全体の平均値である。日本の大学生はバックスであれば4.4 – 4.7秒、ラインであれば4.7 – 5.3秒くらいを目安にすると良いだろう。
40ヤード走を速く走るコツとトレーニング
40ヤード走のコツ
40ヤード走は、足の速さを単純に測るだけではなく、「爆発的なスタートダッシュ」と「どれだけ早くトップスピードを出せるか」という点がポイントとなる。通常のアメフトのプロ選手は、10ヤード、20ヤード、40ヤード地点で、それぞれのスピードを計測して分析しているのだ。そのため、40ヤード走の記録のみを意識するのではなく、細分化した中間目標を立てて、それに向けてトレーニングすることがオススメだ。
40ヤード走のトレーニング
先述の通り、40ヤード走のコツは、「爆発的なスタートダッシュ」と「どれだけ早くトップスピードを出せるか」である。そのために重要となってくるトレーニングが、アジリティトレーニングだ。自分の身体全体の体幹を細かく鍛えて、脚力の俊敏性を高めることが重要だ。