アメフトの試合をみているとQBがプレイ開始の直前で「ブルー35」などの言葉を叫んでいるのを耳にしたことはないだろうか?オフェンスプレイの上級編として用いられる「オーディブル」と呼ばれるプレイ開始ギリギリでプレイ内容を変更する技である。そんなオーディブルについて徹底解説する。
オーディブルの意味
アメフトのオーディブルとは、オフェンスのハドルで既に決まっているプレイをスナップ直前に変更することを意味する。オーディブルを実行するときには、オフェンスチームで決められた暗号(オーディブルコール)を発して行われる。
オーディブルはどんな時に使われるか
オーディブルは、オフェンスが行おうとしているプレイをディフェンスが完全に先読みして守備隊形をとっている時である。例えば、オフェンスがロングパスを選択している一方で、ディフェンスがディープゾーンを守るのに強い守備隊形をしているときなどにオーディブルを使ってプレイを直前で変更する。
オーディブルは、オフェンスの全ての選手がオーディブルコールを理解して臨機応変に対応する必要があるため、意識が統一されていないとプレイでミスを発生させてしまうリスクを伴う。そのため、熟練されたチームでのみオーディブルの活用を推奨する。
オーディブルコールの例
オーディブルコールは、スクリメージ上でQBがプレイの変更のために発する暗号である。オーディブルコールは多くの場合、「色」と「数字」を組み合わせてつくられており、”ブルー 45″、”イエロー30″などといったコールが用いられる。
チームによっても異なるが、「色」は「本当にオーディブルをするかしないか」、「数字」は「どのプレイを実行するのか」の暗号として用いられる。例えば、以下のオーディブルコールをあるチームが用意していたとする。
- 色
- ブルー:本当にオーディブルを実行
- イエロー:オーディブルは実行しない(相手を混乱させるための見せかけのコール)
- 数字
- 30:スイープ(外側を攻めるランプレイ)
- 45:ポストのパスプレイ(奥側を攻めるパスプレイ)
このケースで、QBが「ブルー30」とコールを発した場合、実際にオーディブルが実行されて「スイープのプレイに変更される」こと意味する。一方で、「イエロー30」コールを発した場合、オーディブルを実行しないということになるため、ハドルで決められたプレイをそのまま実行することになる。