アメリカンフットボールのオンサイドキックは、試合全体の流れを変えるハイリスク・ハイリターンの戦術。このキックを正しく理解して試合の形勢逆転を狙いましょう。
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オンサイドキックの意味
アメフトのオンサイドキック(Onside Kick)とは、キックオフチームが攻撃権を獲得するために意図的に蹴った短いキックを意味する。キックされたボールは10ヤードを超えるとフリーボールになるため、キックオフチームが攻撃権獲得のために自身でボールを取ることを狙う。
オンサイドキックが使われるシーン
オンサイドキックは、ほとんどのケースで負けているチームが選択する戦術である。タイミングとしては、ゲーム終了間際に逆転を狙って選択することが多い。オンサイドキックはハイリスク・ハイリターンな戦術であるため形勢逆転したいときにのみオンサイドキックを活用するようしよう。
具体的には、「キックオフを蹴る => 守備側になる」流れが一般的なのだが、それを覆すために「オンサイドキックを蹴る => 攻撃側になる」ことを狙うのがオンサイドキックなのである。オンサイドキックは成功すると攻撃権を獲得できる一方で、失敗すると相手にとって有利な陣地から攻撃権を渡してしまう(不利な条件で守備をしないといけない)ことになるためハイリスク・ハイリターンといえる。
オンサイドキックの成功率
一般的なオンサイドキックの成功率は25%と言われている。オンサイドキックの4回に1回しか成功しないということになる。失敗例としては、10ヤード以上ボールが転がらなかったり、相手にボールを捕球されてしまうことだ。
NFLではオンサイドキックのルール変更によって、21%の成功率が6%に大幅に減少している。具体的には、ルール変更前の2017年は21%「57回中、21回成功」であったが、ルール変更後の2018年は6%「79回中、5回成功」であった。(参照:profootballtalk.nbcsports.com)
オンサイドキックのルールと反則
オンサイドキックの基本的なルール
キックチームは、オンサイドキックで蹴られたボールが10ヤード転がるまでは絶対にボールに触れてはいけない。
オンサイドキックの主な反則
10ヤードの制限線を越える前に、キックチームがボールにタッチしてしまった場合は反則となり、レシーブチームはタッチのあった地点から攻撃権を得てしまうためである。10ヤードの制限線内でタッチが発生した場合、その後のボールの捕球の有無に関わらず、リターンチームの攻撃となる。
オンサイドキックのルール変更
NFLではオンサイドキックのルール変更が実施されたが、主な変更点は以下の通りだ。
- キックチームはボールを挟んで左右に均等に5人ずつ選手を配置しないといけない
- キックチームはボールの位置から1ヤード以内にセットする必要があり、助走が禁止された
オンサイドキックのルール変更についてはNFLで議論が繰り返されいる。様々な実証実験を繰り返しながらルールの更新が行われる予定だ。