アメリカンフットボールの試合でキックされたボールをキャッチした後にリターンしないシーンをみたことはないだろうか?リターナーのリターン放棄であるこの行為「フェアキャッチ」の意味とメリットについてご紹介する。
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フェアキャッチの意味
アメフトのフェアキャッチ(Fair Catch)とは、キックオフかパント時にリターナーがリターンの放棄を宣言することである。動きとしては、リターナーがボールキャッチ前に手を大きく振るジェスチャーをして周知する。
パント時のフェアキャッチ
パント時にフェアキャッチをした場合は、攻守交代となり、キャッチしたチームの攻撃がその場から開始される。
キックオフ時のフェアキャッチ
キックオフ時にフェアキャッチをした場合は、リターンチームは自陣25ヤードから攻撃を開始となる。
例えば、自陣10ヤードでフェアキャッチをした場合も自陣25ヤードから攻撃開始、自陣30ヤードでフェアキャッチをした場合も自陣25ヤードから攻撃開始ということだ。
これは、無理なリターンによるケガ防止を目的として2018年につくられたルールである。
フェアキャッチのメリットとデメリット
フェアキャッチのメリット
フェアキャッチをするとタックルすることは許されず、リターナーはタックルされないため、ファンブルなどのリスクを回避できる。
フェアキャッチのデメリット
リターンチームがフェアキャッチの意思を示していても、キャッチミスをした場合(リターナーに触れてボールが落下した場合)、フリーボールとなるので注意が必要だ。フリーボールになったボールをキックチームにカバーされたら、キックチームの攻撃継続となってしまう。つまり、リターンチームにとって大きなピンチを招くこととなる。
フェアキャッチのシグナル
有効なシグナルとは、リターンチームのプレーヤーが、片手だけを頭より高く上げ、その手を身体の端 から端へ1往復以上大きく振り、キャッチする意志があることを明確に示す合図のことである。
フェアキャッチの公式規則
- スクリメージ キックのフェア キャッチとは、ニュートラル ゾーンを越えた地点でいかなるものにもタッチしていないスクリメージ キック中に、有効なシグナルを行ったリターンチームのプレ ーヤーによって、ニュートラル ゾーンを越えた地点でなされたキャッチのことである。
- フリー キックのフェア キャッチとは、いかなるものにもタッチしていないフリー キック中に、有効なシグナルを行ったリターンチームのプレーヤーによってなされたキャッチのことである。
- 有効なまたは無効なフェア キャッチのシグナルにより、レシーブ チームはボールを前進さ せる機会を失う。ボールがキャッチまたはリカバーされた地点で、あるいはキャッチの後で シグナルが出された場合にはシグナルを行った地点で、デッドが宣告される。
- レシーバーが太陽の光をさえぎるために手を振らずにかざしただけの場合、ボールはライブ であり、前進させることができる。
フェアキャッチ後のタックルは15ヤードの罰則
フェアタッチでリターン放棄をした選手にタックルをするとアンスポーツマンライクコンダクトとして15ヤードの罰則が適用される。非常に危険なプレイなので罰則は重たい。