アメフト界の夢舞台で活躍するNFLの選手たちの年俸は一体どれくらいなのでしょうか?ポジションや活躍度合いによって大幅に変動するNFLの給料事情について徹底解説する。
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NFLの給料システム
NFLの選手の年俸は、主に以下の3つの要素によって決定される。この合計金額に対して、サラリーキャップが適用されることとなる。
給料システム 基本給 + 契約金 + 出来高
基本給
NFL選手にとっての基本給のことである。
契約金
契約金とは、契約時に一括で支払われる契約ボーナスである。年俸換算するときは、契約金を契約する年数で割ったものが年間の年俸に加算される。
出来高
出来高とは、成績や出場試合数、プレー数によってボーナスが出るインセンティブのことである。また、ロースターボーナス(決められた期日にロースターに残っていればボーナスが出る)やワークアウトボーナス(オフシーズンの練習に参加するだけでもらえるお金)が存在する。サラリーキャップに加味する際は、達成度を予想した上で金額が算出されてLikely to be earned(LTBE)として加算される。
NFLの平均年俸
NFL選手の平均年俸は、$3.2 million(約4.8億円)である。しかし、この平均値は、年俸の高い層が引き上げているため実態を現すには上振れしている年俸といえるため、中央値でみると$860,000(約1.3億円)である。いずれにしても、日本のプロ野球全球団の平均年俸は、4,000万円に満たないということを踏まえるとNFL界の給料水準は非常に高いことがわかる。
- 平均値:$3.2 million(約4.8億円)
- 中央値:$860,000(約1.3億円)
NFLの最高年俸

Dak Prescott
NFLの最高年俸は、ダック・プレスコット(QB)の$86.3 million(およそ125億円)であり、2024年に交わされた契約である。
ポジション別の年俸(上位10名の平均)
NFLの年俸は、ポジションによって大きく差がある。それぞれのポジションの上位10名の最低年俸、平均年俸、最高年俸についてご紹介する。以下のグラフは、2024年のデータにもとづいてつくられており、単位は$(百万)である。グラフの「1 = 1.5億円」くらいの感覚でみていただくと良いだろう。

出典:businessinsider
QB(クォーターバック)
もっとも年俸水準が高いのがQBであることがわかる。上位10名の中で最低でも約22億円で最高だと約56億円だ。
WR(ワイドレシーバー)
ワイドレシーバーの年俸平均は、およそ22億円であり、QBについで2番目に高い年俸水準である。
LB(ラインバッカー)
守備の要であるラインバッカーも高い年俸水準にある。最低金額と最高金額の差は小さいことがグラフから読み取れる。
RB(ランニングバック)
ランニングバックは、最低金額と最高金額の差がかなり大きいことがわかる。タッチダウンの数などに応じたインセンティブ(出来高)によって、このような差が生まれていることが考えられる。一方で、フルバックは個人技能の差がでにくいせいか、年俸水準は非常に低い。
OLとDL(ライン)
ラインの年俸でもっとも高い水準にあるのがディフェンスエンドである。もう一つ興味深いのは、左タックルと右タックルの年俸の差である。右手投げQBにとって死角となる左タックルの重要性が高いためか、左タックルの年俸は他のラインに比べて比較的高い。
K(キッカー)
キッカーの平均年俸は、およそ3億円である。プレッシャーがかかるポジションであるが、出場機会はあまり多くないためか他のポジションにくらべると低い。
P(パンター)
パンターもキッカー同様に、およそ3億円の年俸水準である。インセンティブを与えづらいポジションのためか、最低年俸と最高年俸の差も低い。
H(ホルダー)
ホルダーの年俸は、算出されていない。理由としては、NFLであってもホルダーは、パンターや控えのQBが務めるためである。ざっくりとホルダーの年俸を把握するためには、パンターの上位10名の中の最低年俸である2億円くらいと捉えておくと良いだろう。
選手別の年俸ランキング(2024)

NFL給料ランキング2024
参考:sportico.com
NFLとNBAとMLBの年俸比較
アメリカの三大人気スポーツの平均年俸を比較すると以下の通りである。NBA(バスケットボール)は約6億円、MLB(野球メジャーリーグ)は約4.5億円、そしてNFL(アメリカンフットボール)は2.1億円である。NFLには、チームあたりのサラリーキャップが存在するため、他のスポーツに比較すると年俸が低いということが考えられる。一方で、最高年俸はどのスポーツもおよそ30億円である。

参考:forbes.com