アメリカンフットボールは頭脳戦ともいわれており、数々の知力を振りしぼった戦術が実践されている。そんな中でも注目されるのが「トリックプレー(スペシャルプレー)」というもの。滅多に見ることのできないトリックプレーを網羅してご紹介する。
メニュー
- プレイアクションパス(Play Action Pass)
- ドロー(Draws)
- エンドアラウンド(End arounds)
- リバースプレイ(Reverse)
- ダブルパス(Double Pass)
- ハーフバックパス(Halfback pass)
- フェイクリバース(Fake Reverse)
- フリーフリッカー(Flea Flicker)
- リバースフリーフリッカー(Reverse Flea Flicker)
- スタチューオブリバティ(Statue of Liberty)
- ファンブルロースキー(Fumblerooski)
- フェイクプロシージャ(Fake procedure)
- フェイクスパイク(Fake spike)
- フェイクパント(Fake Punt)
- フェイクフィールドゴール(Fake field goal)
プレイアクションパス(Play Action Pass)
プレイアクションパスは、最も良く利用されるトリックプレイである。スナップを受けたQBがランニングバックにハンドオフするふりをして、パスを投げるプレイである。ディフェンス選手は、ハンドオフされたランプレイと勘違いするため前進してくるのだが、その裏をかくようにレシーバーにパスすることでロングゲインを狙う。プレイアクションには様々なタイプがあり、ダイブフェイクやパワーフェイクなど、ハンドオフを伴うプレイと絡めてプレイアクションパスは実行される。
ドロー(Draws)
ドローは、スナップを受けたQBがドロップバックをしてパスプレイのふりをして、ランニングバックにハンドオフをする。ディフェンスの選手は、パスプレイだと勘違いするためパスカバーに入って後退するのだが、そこにできた空間にランニングバックが突っ込んでゲインを狙う。
エンドアラウンド(End arounds)
エンドアラウンドは、ワイドレシーバーかスロットエンドがスクリメージにそって逆方向に走り込み、静止しているQBからハンドオフを受けてはじめの位置から逆サイドへランプレイを展開する攻撃である。ディフェンスの選手は、急にプレイサイドが変わるのでアジャストするのが遅れたり、守備が手薄になったりする。
リバースプレイ(Reverse)
リバースは、ワイドレシーバーかスロットエンドがスクリメージにそって逆方向に走り込み、オープンプレイに展開しているQBかRBからボールを受け取って、QBとRBが走っていた方向と逆にプレイを展開する攻撃である。ディフェンスの選手は、急にプレイサイドが変わるのでアジャストするのが遅れたり、守備が手薄になったりする。リバース(反転)という意味だけに、プレイサイドを急転換するプレイである。
POINT
- エンドアラウンド:いきなり逆を攻める
- リバース:ある方向に攻めると見せかけて、その逆に急転換する
ダブルパス(Double Pass)
スナップを受け取ったQBがレシーバーかランニングバックに横パスをして、パスを受け取った選手がさらにパスを投げてロングゲインを目指すプレイである。ディフェンスの選手は、1回目のパスに対応するために前進してくるので、その裏をかいて2回目のパスで奥のゾーンを攻める。
ハーフバックパス(Halfback pass)
ハーフバックパスは、QBがハーフバック(ランニングバック)にピッチをして通常のランプレイを展開すると見せかけて、ランニングバックがレシーバーをめがけてパスを投げるプレイである。ディフェンスの選手は、ランプレイだと思って前進してくるため、その裏をかいて奥のゾーンを攻める。
フェイクリバース(Fake Reverse)
ワイドレシーバーかスロットエンドがスクリメージにそって逆方向に走り込み、スナップを受けたQBがボールを渡す。ここまではリバースと同様だが、そこからランではなくパスに展開するプレイがフェイクリバースである。リバースプレイだと勘違いしたディフェンスの選手が前進してくるため、その裏をかいてロングゲインを狙えるプレイである。
フリーフリッカー(Flea Flicker)
フリーフリッカーは、QBがハンドオフしてランニングバックにボールを渡し、インサイドのランプレイを展開するとみせかけて、ランニングバックが後ろを振り返ってQBにボールをトスして戻す。そして、QBがレシーバーに向けてボールをパスするプレイである。ディフェンスの選手は、ランプレイだと思って前進してくるため、その裏をかいて奥のゾーンを攻める。
リバースフリーフリッカー(Reverse Flea Flicker)
リバースフリーフリッカーは、1回以上のリバースプレイを展開するとみせかけて、最終的にQBにボールを戻してからQBがレシーバーにパスをするプレイである。ディフェンスの選手は、リバースにアジャストするために勢い良くプレイサイドを先読みして前進してくる。その裏をかいて、ディープゾーンのパスを展開してロングゲインを狙うプレイである。
スタチューオブリバティ(Statue of Liberty)
スタチューオブリバティとは、QBが通常のパスの動作をとりボールを投げるジェスチャーをする。通常、パスを投げる方の手でボールを持つのだが、スタチューオブリバティは逆の手でボールを隠し持って、ランニングバックがこっそりとそのボールをとって走り込む。QBのジェスチャーが自由の女神(スタチューオブリバティ)に似ているためにこの名前が付けられた。ディフェンスの選手は、パスかと勘違いしてパスカバーのために後退する。そこにできた空間をめがけてランニングバックが攻め込むのだ。
ファンブルロースキー(Fumblerooski)
QBがスナップを受け取り、ディフェンス選手からボールを見えない位置に隠す。あたかもファンブルをしたかのようなジェスチャーをしてディフェンスの選手を引きつけて、その裏をかいてディープゾーンを狙うプレイである。
フェイクプロシージャ(Fake procedure)
フェイクプロシージャとは、直訳すると「ニセの手続き」を意味し、QBがベンチ陣に呼ばれてベンチに戻るフリをしながらプレイを展開するトリックプレーである。アメフトでは、プレイ開始前に一人だけモーションをすることができるため、このプレイが成立する。ディフェンスの選手があたかもタイムアウトかのように気を抜いている隙を突いたプレイである。
フェイクスパイク(Fake spike)
オフェンスが時間の流れを止めたい緊迫した状態で、スパイクをするフリをしてプレイを展開するトリックプレーである。スパイク時は、ディフェンスは何もできないのでディフェンスの選手は気を抜いてしまいがちである。そこの隙を突いたトリックプレーである。
フェイクパント(Fake Punt)
パントを蹴る時は、4回目の攻撃で攻撃権を放棄する時。通常はキッカーがボールを蹴って陣地を挽回するのだが、パントと見せかけたフォーメーションからプレイを展開して、ファーストダウンの獲得を目指すトリックプレーである。試合後半などでどうしても得点がほしいときなどに活用される。
フェイクパントパス
フェイクパントラン
フェイスパントアップバックラン
フェイクフィールドゴール(Fake field goal)
フィールドゴールのキックプレイだと見せかけて、スナップ後にプレイを展開してタッチダウンを狙うのがフェイクフィールドゴールである。フィールドゴールだと3点獲得であるのに対して、タッチダウンだと6点を獲得できるため、リスクをとってトリックプレーが選択されることがある。