アメリカンフットボールのサイドライン際で行われるコーナーバックとレシーバーのせめぎ合い。パスを成功させないために、ディフェンスのコーナーバックが使う技が「バンプ」というものである。「バンプで失敗しないためのルール解説」と「実践で使えるバンプのコツ」をご紹介する。
こんな人にオススメ!
レシーバーにパスを捕らせないためにテクニックを身に着けたいディフェンスバック(コーナーバックやセーフティ)の選手
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バンプの意味
バンプとは、パスをキャッチするオフェンス選手のタイミングを乱すために、プレイ開始直後にディフェンスの選手がぶつかって、スムーズなパスルートへの進出を妨げることを意味する。
- バンプをする側:ディフェンスのコーナーバック
- バンプをされる側:オフェンスのレシーバー
以下の画面上部でマッチアップするレシーバー(左)とコーナーバック(右)の映像をご覧いただきたい。パスコースに出ようとするレシーバーにバンプをしてルートへの進出を妨げていることが確認できる。これがバンプである。
バンプをする際に気をつけるべき3つのルール(反則)
バンプは、パスプレイ時に不可欠ともいえる技であるが、バンプをむやみやたらに行なってしまうと、思わぬ反則となってしまうため注意が必要だ。
1. バンプで使ってよいのは腕のみ
バンプでレシーバーにぶつかる際に使って良いのは腕のみである。ショルダーやヘルメットをつかってぶつかってしまうと、イリーガルコンタクト(5ヤードの罰退)もしくはアンネセサリーラフネス(15ヤードの罰退)の反則になってしまうため注意が必要だ。
2. バンプをする際にレシーバーを掴んではいけない
バンプで腕を使うことは許可されているが、レシーバーを掴んでしまうとホールディング(5ヤードの罰退)の反則になってしまう。基本的に、「ディフェンスはオフェンスを掴んでOK、オフェンスはディフェンス」を掴んではNGという定則があるが、パスプレイ時のレシーバーに対してのみ、掴んではいけない特別ルールが適用される。
3. フォワードパスが投げられた後はバンプをやめないといけない
スクリメージラインを超えるフォワードパスが投げられた後には、バンプをしてはいけない。QBからボールが放たれたタイミングでバンプを止めないと、パスインターフェアランス(15ヤードの罰退)と呼ばれる重い罰則が課されてしまう。
NFLの特有のルール – 5ヤード以内のみバンプ可能
NFLは、スクリメージから5ヤード以内しかバンプを行ってはいけないのだ。5ヤードを超えたレシーバーに対してバンプを行うとイリーガルコンタクトとして反則になる。NFLでは、このルールに加えて上記のルールが適用される。
バンプを上手くするための8つのコツ
参考資料:The Bump and Run Technique with T.J. Ward(英語)
1. 距離は1ヤード半
レシーバーとの距離は、1ヤード半を基本と考えると良いだろう。相手の動きにアジャストしてバンプをしながら付いていくためにふさわしい距離である。もちろん、ロングパスを警戒する場合は、深めにポジションすることも妥当だ。
2. 目線は相手のお腹・腰
相手の顔やヘルメットをみてしまいがちだが、目線はできる限り腰まわりにしよう。頭をみるとフェイントで振り切られてしまうが、腰は進行方向に対して正直に向くために、レシーバーの動きに反応しやすい。
3. 手は前に
上の画像でご覧いただけるように、両手は前においてすぐにバンプができるようにしましょう。
4. 始めのステップは小刻みに
始めのステップは小刻みに相手の進行方向に踏み込む。例えば、レシーバーが内にステップを踏んだらコーナーバックもほぼ真横にステップを踏む。そうすることで、勝手に相手がぶつかってくるので、そこでバンプをするのだ。
5. レシーバーを無理に押そうとしない
相手をバンプしたいがために、前のめりに踏み込んでしまうと、自分の後ろを抜かれてパスコースに抜け出てしまう。そうならないためにも、あくまでも引き気味に、相手が進行する力を利用したバンプを徹底しよう。
6. レシーバーの進行方向と逆の手でバンプ
自分から見て、レシーバーが右にステップをしたら左手でバンプ、レシーバーが左にステップしたら右手でバンプを心がけよう。理由としては、レシーバーが逆ステップを切った際に、コーナーバックの二歩目が出しやすくアジャストしてついていけるようにするためである。練習時にぜひ、試していただきたい。
7. クロスオーバーステップで付いていく
相手をバンプするとき、もしくはバンプ後は、レシーバーとコーナーバックは横並びになる。レシーバーはパスコースにでるためにスピードに乗せてくるため、相手の動きをみながら相手に付いていけるためにクロスオーバーステップは大きな武器となる。
8. レシーバーに背中を向けない
レシーバーがステップを踏んで振り切ろうとした際に、コーナーバックがレシーバーに背中を向けてしまいがちだが、なるべく避ける必要がある。レシーバーがステップ後に更に逆ステップを踏んだ際に、レシーバーの進行方向を見失ってしまうためだ。相手がどんな動きをしても、足がついていけるよう、目と身体と足を離さないようにしましょう。
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