アメリカンフットボールは、そのまま呼ぶにしては長いのでしばしば省略語が用いられる。バスケットボールは「バスケ」、バドミントンは「バド」と分かりやすいが、アメリカンフットボールの場合には「アメフト」と「アメフット」の両者があり混乱している。今回は、現状を整理してどちらを採用するべきかを考えてみる。
「アメフト」と「アメフット」は同じ意味
アメリカンフットボールを省略したものが「アメフト」と「アメフット」であり、両者が意味するものは全く同じである。同じことを意味するものだが、呼び方のみが異なっているのだ。英語圏では、「フットボール」と略されることが多いアメリカンフットボールだが、日本語としてどちらを使うのが正しいのかを次ぎで分析する。
どちらを使って呼ぶべきかを比較
辞書的な解釈は「アメフト」が優勢
様々な会社が提供している辞書や広辞苑などの情報をもとにすると、ほとんどの辞書で「アメフト」という言葉がアメリカンフットボールの省略語であることが示されている。一方で、「アメフット」が省略語として登録されている辞書は、あまり多くなく、辞書に載っているとしても「アメフト」の補足として、「アメフットとも呼ぶ」のように綴られている。
アメリカンフットボール連盟の推奨は「アメフット」
Nikkei Style の記事によるとアメリカンフットボール協会は、「アメフットを使うようにしており、アメフトは使ってほしくない」と主張しているとのこと。
参考:「アメフト」と「アメフット」 東西で地域性の違いも? (外部サイト)
それでは、実際にこの言葉を使う生活者は、「アメフト」と「アメフット」のどちらを利用しているのだろうか。
実際に使われているボリュームの比較
Google検索で入力されるキーワードのボリュームを「アメフト」と「アメフット」で比較したものが以下のグラフに示されている。一目瞭然だが、一般の生活者はアメフトの方を圧倒的に利用している。アメフトを100とするとアメフットは0.1以下の利用頻度である。
グラフを注視すると、「アメフット」は、2004年から年々利用回数が減ってきている。つまり、昔は「アメフット」と使っている人がある一定数(それでも少数人)いたが、現代ではほとんどの人が利用していないということがわかる。
結論
アメリカンフットボールの省略語である「アメフト」と「アメフット」は同じ意味であり、現在利用されている省略語の頻度を加味したら、圧倒的に「アメフト」が優勢である。言葉をどのように捉えるかの問題であるが、コミュニケーションの円滑化を目的とする言葉という立場にたって考えると、より多くの人が利用している方である「アメフト」を共通言語として採用するのが望ましいといえるだろう。