アメフトは、身体と身体がぶつかり合う激しいスポーツであるのは、みなさんご存知のことであろう。チームプレイの格闘技ともいわれるアメフトは、どれほど怪我率が高いのだろうか?スポーツ安全協会のデータをもとに調べた内容をお届けする。
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アメフトの怪我率はスポーツの中で最も高い
数あるスポーツの中で、アメフトがもっとも事故率(怪我が発生したアクシデントの発生率)が多いことが判明した。ラグビーよりもアメフトの方が怪我率が高く、格闘技の柔道・相撲と比較しても圧倒的な怪我率となっていることが分かる。
アメフトの怪我率が高い理由
上の事故発生率の結果は、保険に加入している人の数を母数に、保険適用する怪我が発生した件数の割合だと考えられる。したがって、「保険適用に値する怪我」が多い順に並んでいるのだ。つまり、アメフトの怪我は、保険適用するに値するほど大きな怪我が発生しやすいということになる。
防具で保護されているのになぜ怪我が多いの?と疑問を抱くかもしれないが、防具を装備しているからこその理由がある。それは、防具があるために100%の力でお互いがぶつかり合うことができるからだ。ラグビーは、肉体同士がぶつかるため、お互い急所を外してタックルしたり、本能的にも意識的にもコントロールできる部分がある。アメフトの場合は、硬い防具を身にまといながら全力でヒットするため、怪我をした際の身体への負担は大きいと考えられる。
関連情報:アメフト選手必見の保険!怪我をしても安心できるスポーツ保険の解説
アメフトで起こしやすい怪我の種類
アメフトでは、上で述べた通り、重症度の高い怪我が発生していることが分かる。
怪我の種類 | パーセント |
捻挫 | 28.9% |
筋・腱損傷 | 17.9% |
打撲 | 7.5% |
脳震盪 | 7.4% |
骨折 | 5.6% |
脱臼 | 1.8% |
その他 | 30.9% |
参考:大学アメリカンフットボールにおける傷害調査- 10 年間(1999 年から 2008 年)の傷害報告-(福田 崇氏・宮川俊平氏・松元 剛氏)
関連情報:アメフト選手必見の保険!怪我をしても安心できるスポーツ保険の解説
アメフトで怪我しやすい身体の部位
全体的に、アメフトでは下半身の怪我が多いことがわかる。相手との接触という意味では、タックルしたり、タックルされたりした場合に怪我をするケースが一番怪我の発生率が高いことがわかっており、次いでダッシュ、ブロック、パスレシーブとなっている。
部位 | パーセント |
膝 | 14.4% |
足関節 | 13.8% |
大腿 | 13.4% |
腰背部 | 10.5% |
頭部 | 10.0% |
肩・肩関節 | 7.3% |
下腿 | 6.3% |
頸部 | 6.3% |
股関節 | 4.8% |
足部 | 3.3% |
その他 | 10.0% |
参考:大学アメリカンフットボールにおける傷害調査- 10 年間(1999 年から 2008 年)の傷害報告-(福田 崇氏・宮川俊平氏・松元 剛氏)
関連情報:アメフト選手必見の保険!怪我をしても安心できるスポーツ保険の解説
アメフトで怪我しやすいポジション
アメフトはポジションによって、使う筋肉や接触する方法などが異なる。そのため、怪我をしやすいポジションと怪我をし難いポジションというものがでてくる。以下には、怪我をしすい順にポジションと理由を述べていく。
1位 ランニングバック
RB ではボールキャリーやパスブロッ クなどプレー毎にハードなタックルを受ける機会が多いため、捻挫などの怪我につながりやすい。
2位 オフェンスライン
OL では 腰背部の傷害が最も多く、プレーごとの激しいブロックが原因と考えられる急性外傷の腰椎ヘ ルニアをはじめ、腰痛症、腰椎分離症など慢性的な疲労による障害も目立つ。OL の低い姿勢からのブロックを日常的に繰り返すことで腰部に過度の負担をかけていると考えられる。
3位 ディフェンスバック
ディフェンスバックは、ヒットの機会はそれほど多くはないがスピードに乗ったボールキャリアに対してタックルをする回数は多いといえる。ハードタックル時に怪我をする可能性が考えられる。また、レシーバーと競り合った際に望まないかたちで落下して肩を脱臼したりすることもある。
4位 ラインバッカー
試合の中でもっともタックルする機会が多いといえるポジションといえる。ラインとの激しいヒットも加わるため、身体への負担は大きいといえる。
5位 ワイドレシーバー
ワイドレシーバーはヒットの機会はそれほど多くはないが、ボールを空中でキャッチしたあとの落下時に肩を脱臼したり、ボール捕球後に想定外のところからタックルを受けて身体を痛めたりすることが多いと考えられる。
参考:大学アメリカンフットボールにおける傷害調査- 10 年間(1999 年から 2008 年)の傷害報告-(福田 崇氏・宮川俊平氏・松元 剛氏)
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